それは必要のないものです









「はい、サンジくん、お誕生日おめでとう」
含み笑いのナミさんにもらったプレゼントはパジャマだった。
それもシルクの。
しかも色違いを2着。
さっすがナミさん素晴らしいセンスだ〜とかなんとか浮かれていたのでそのときは深く考えなかったのだが。





「なんで2着なんだろう・・・」
考えれば考えるほど冷や汗が出るのはどうしてだろう。
普通に考えれば、着まわせるようにでもなんとなくでも、サンジひとりで2着とも使うということだ。
けれどもあのナミさんのうるわしき微笑みには、どう考えても含むところがあった。
たとえば、ふたりで着てね、とか。
ということはゾロがほぼ毎晩サンジの部屋にお泊りしていることがばれているわけであって、
と、そこまで考えたところで思考停止した。
ナミさんがそこまで知ってるなんて怖すぎる。





「ただいま」
ゾロがバイトから帰ってきた。
「おかえり・・・」
靴を脱いだゾロはまっすぐにサンジのもとにやってきて、2着のパジャマを前に体育座りしているサンジの額に軽くくちづけた。
誕生日おめでとう、と耳元にささやかれる、おもわずぞくりとして首筋を右手でおおった。
ゾロの目がサンジの足元で止まる。
「あ、それ、ナミから?」
首を縦に振って肯定する。
「なんで知ってんの」
「だって、ナミが、今晩は着せてもらえないかもしれないけど、明日の夜はおそろいで着て寝ろってゆってた」
今晩は着せてもらえないかもしれないけど。
それが意味するところは。





「なっなっ・・・」
なんでナミさんが知ってるんだろう。
言葉にならない言葉を必死に発しようとするサンジをみて、ゾロが肩をきゅっと持ち上げて笑う。
「別にそんなもんいらねぇのにな。明日もどうせするし」
もう一度、ゾロがサンジの額にキスをする。
そのまま押し倒されて、サンジは今夜、ゾロにすてきな誕生日プレゼントをもらうことになる。








ゾロが積極的なサンゾロは、夜、パジャマなんか着て寝ないのです。
I don't need pajamas, と先輩が歌っていてえろかったので。
あまりにも遅すぎるサン誕2007と言い張ってみる。