Safe Sex
玄関でスニーカーを履きかけた手を止めて部屋をふりかえり、
新聞のけんこうレシピなんか眺めている黄色い頭に声を掛ける。
「コンビニ行ってくるけど何かほしいもんあるか?」
「んー」
「なんだよ」
「強いていうと、お前?」
無視して玄関の向こうへ。
目的を果たして帰れば、黄色い頭はたいくつそうに床に転がっていた。
「おかえり」
「ただいま」
「何買ってきたんだ?」
「週刊大剣豪。と、土産」
ぽい、と放った。
黄色い頭にぶつかってから、床に転がる、黒い箱。
「『安全な性生活を支援します』・・・」
「ちゃんと使えよ」
にや、と笑うと、黄色い頭も笑った。
いやらしい顔。
「そんなに中出しが嫌かねェ・・・」
「んなこと言ってるとやらせねェぞ」
「はいはい、ちゃんと使いますよ」
「そうしろ」
今夜は。
突発とはこういうもののことを言うんだと思う。
はじめてちゃんと(?)書いたサンゾロ。